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喉の奥からドブ臭い…耳鼻科で「異常なし」と言われた30代営業職の絶望と、光を見つけた全記録

「また、この臭いだ…」

商談中に言葉を発するたび、喉の奥から込み上げる不快なドブのような臭いに、私は内心、顔をしかめていました。30代、営業職。お客様との信頼関係が何よりも重要なこの仕事で、口臭は致命傷です。自分では気づきにくい口臭だからこそ、相手にどう思われているのか、その不安が常に私の心を蝕んでいました。

あれは半年前のこと。最初は気のせいかと思っていました。しかし、朝起きた時の口の中の粘つき、そして時折感じる鼻の奥を抜けるような異臭。次第にそれは、私の日常を支配するようになりました。特に商談中、お客様の顔がわずかに曇ったように見えたり、会話中に距離を取られたりすると、「ああ、まただ。きっと私の口臭のせいだ…」と、胸の奥が締め付けられるようでした。積極的に話すことができなくなり、提案もどこか歯切れが悪くなる。結果として、成績も伸び悩み、自己嫌悪に陥る日々でした。

藁にもすがる思いで耳鼻咽喉科を受診しました。インターネットで調べた「膿栓(臭い玉)」が原因ではないかと期待したのです。しかし、診察の結果は「特に異常は見られません。膿栓もありませんよ」という、あっけないものでした。その言葉を聞いた瞬間、一時的な安堵と同時に、深い絶望が私を襲いました。「じゃあ、この臭いは一体何なんだ? 医者にも原因が分からないなんて…もうダメかもしれない。なぜ私だけがこんな悩みを抱えているんだ? 営業として、人と話すのが仕事なのに、このままでは…」。鏡を見ても、舌を磨いても、まるで解決の糸口が見えない。まるで、出口のない迷路に迷い込んだようでした。

市販のマウスウォッシュやタブレット、歯磨き粉も試せるものは全て試しました。しかし、どれも一時的な気休めにしかならず、時間が経てばまたあの不快な臭いが戻ってくる。まるで、庭に生えた雑草を抜いても抜いてもすぐに生えてくるように、表面的なケアだけでは根本的な解決には至らないのです。雑草の根源にある土壌の質や日当たり、水はけの問題を解決しない限り、永遠に雑草との戦いが続くのと同じように、私の口臭も表面的なケアだけでは一時しのぎに過ぎず、喉の奥の臭いの根源となる「見えない土壌(体内の問題)」を改善しなければ、いつまでも不安に苛まれ続けるのだと悟りました。

このままでは仕事も私生活も破綻してしまう。そう思い、私は口臭専門外来を訪れることを決意しました。そこで初めて知ったのは、口臭の原因が口腔内だけでなく、胃腸の不調、慢性的な副鼻腔炎、ストレスによる唾液分泌量の低下、さらには舌苔の異常など、多岐にわたるということでした。専門医は私の生活習慣や食生活、ストレスレベルまで細かくヒアリングし、様々な検査を行いました。その結果、私の場合は軽度の胃食道逆流症と、ストレスによる唾液分泌量の低下が複合的に口臭を引き起こしている可能性が高いと診断されました。

診断に基づき、私は食事内容の見直し、ストレス軽減のための軽い運動、そして唾液腺マッサージを日課にすることから始めました。また、就寝前には特別な口腔内保湿剤を使用し、口腔乾燥を防ぐ工夫も取り入れました。最初は半信半疑でしたが、数週間もすると、朝起きた時の不快感が少しずつ軽減されていくのを実感しました。そして、何よりも大きかったのは、専門家のアドバイスに従って対策を講じているという「安心感」でした。不安が軽減されることで、精神的なプレッシャーからも解放され、商談でも自然と笑顔が増え、言葉も滑らかに出てくるようになりました。

あの時の絶望は嘘のようだ。口臭の不安から解放され、こんなにも世界が明るく見えるなんて…。今では、お客様との会話を心から楽しむことができています。口臭は、単なる生理現象ではなく、私たちの自信や人間関係、そしてビジネスの成功にまで影響を及ぼす、見えない壁となり得ます。もしあなたが私と同じように、喉の奥からの口臭に悩み、耳鼻科で「異常なし」と言われても諦めないでください。口臭の原因は複雑ですが、必ず解決の道はあります。専門家の力を借りて、見えない壁を乗り越え、自信を取り戻す一歩を踏み出しましょう。

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